AIに御社の名前は出ますか?中小企業のためのLLMO対策入門
お客様の「探し方」が変わり始めています
「府中市で評判のいい工務店を教えて」「多摩エリアで相続に強い税理士は?」。こうした質問を、検索窓ではなくChatGPTやGeminiなどの生成AIに投げかける人が増えています。
Google検索でも、結果の一番上にAIがまとめた回答(AI概要=AI Overview)が表示されるようになりました。さらに、会話形式で答えを返す「AIモード」も広がっています。ユーザーはリンクをクリックする前に、AIの回答だけで「どこに頼むか」を決めてしまうことも珍しくありません。
つまり、これからは「検索で何位に出るか」に加えて、「AIの回答の中で、御社の名前が紹介されるかどうか」が新しい集客の入口になりつつあるのです。
LLMO(AI検索対策)とは?
LLMOは「Large Language Model Optimization」の略です。ひとことで言えば、AIが答えを作るときに、参考にしてもらえるサイトにするための工夫です。AIOやGEOと呼ばれることもありますが、目指すところはほぼ同じです。
| SEO(従来の検索対策) | LLMO(AI検索対策) | |
|---|---|---|
| 目指すこと | 検索結果で上位に表示される | AIの回答で紹介・引用される |
| お客様の行動 | 一覧からサイトを選んで開く | AIの答えを読んで判断する |
| 重視されること | キーワード、被リンク、使いやすさ | 情報の正確さ・具体性・信頼性 |
とはいえ、身構える必要はありません。AIが参考にするのは、結局「人にとってわかりやすく、信頼できるサイト」です。SEOの基本ができていれば、土台の多くはすでに整っています。
中小企業が今日からできる5つの対策
① 会社情報を正確に、どこでも同じ表記にする
AIはサイトだけでなく、Googleビジネスプロフィール、SNS、ポータルサイトなど、ネット上の情報を照らし合わせています。社名・住所・電話番号・営業時間が場所によって違うと、「信頼できない情報」と判断されやすくなります。まずは表記を統一し、古い情報を更新しましょう。
②「よくある質問」を充実させる
AIへの質問は、「費用はいくら?」「土日も対応している?」「何日で納品できる?」といった具体的なものが中心です。お客様から実際に受けた質問を、Q&A形式で一問一答で載せておくと、AIがそのまま答えの根拠として使いやすくなります。
③ 強みや実績を「数字」で書く
「丁寧な対応」「お客様第一」といった言葉は、どの会社にも当てはまるため、AIは差をつけられません。「創業30年」「施工実績1,200件」「府中市・調布市・国立市に対応」のように、具体的な数字や地名で書くことが大切です。「誰の、どんな悩みを解決する会社か」が一文で伝わるようにしましょう。
④ 「誰が書いているか」を見せる
AIは、発信者の専門性や経験も信頼性の手がかりにしています。代表者のプロフィール、保有資格、支援事例、お客様の声を掲載し、「この分野のプロが運営している」ことが伝わるサイトにしましょう。
⑤ 技術面の基本を整える
少し専門的になりますが、次のような点も重要です。
- 構造化データ:会社情報やFAQを、検索エンジンやAIが読み取りやすい形式で埋め込む仕組み
- 見出しの整理:ページごとにテーマを絞り、見出しで内容がわかる構成にする
- スマホ対応・表示速度・SSL化:人にもAIにも「きちんと管理されているサイト」と伝わる基本条件
WordPressのサイトであれば、構造化データなどはプラグインで比較的簡単に対応できます。
やりがちな誤解と注意点
- 「AI対策の裏ワザ」はありません。「これをやればAIに必ず紹介される」という営業には注意が必要です。御社の名前が出るかどうかは、AI側の仕組みにも左右されます。
- AI向けに文章を量産するのは逆効果です。中身の薄い記事を大量に載せると、かえってサイト全体の信頼を下げかねません。
- 新しい手法は「様子見」で十分です。AI向けの案内ファイル(llms.txt)なども話題になっていますが、効果はまだはっきりしていません。優先すべきは、上記①~⑤の基本です。
- サイトの外での評判も効いてきます。Googleの口コミ、地域メディアでの紹介、取引先や団体のサイトでの掲載など、「第三者が御社について語っている情報」もAIは参考にしています。
まずは自社をAIに聞いてみましょう
一番手軽で効果的な第一歩は、お客様と同じようにAIに質問してみることです。ChatGPTやGemini、GoogleのAIモードで、次のように入力してみてください。
- 「府中市で○○(業種)を頼むなら、おすすめはどこ?」
- 「株式会社○○(御社名)について教えて」
- 「○○(御社名)の強みは何?」
名前が出てこない、情報が古い、強みが正しく伝わっていない。そうした結果こそが、改善のスタート地点です。AIの回答は日によって変わるため、数か月おきに同じ質問を繰り返し、変化を記録しておくとよいでしょう。
AI対策セルフチェックリスト10項目
- 社名・住所・電話番号の表記が、サイト・Googleビジネスプロフィール・SNSで統一されている
- 営業時間や定休日、料金などが最新の情報になっている
- 「誰の、どんな悩みを解決する会社か」がトップページで一文でわかる
- 対応エリアを具体的な地名で書いている
- 実績や創業年数を数字で示している
- 「よくある質問」ページがあり、実際の質問に答えている
- 代表者やスタッフのプロフィール・資格を掲載している
- 事例やお客様の声を掲載している
- スマホで見やすく、表示が遅くない(URLが「https」で始まっている)
- Googleの口コミに返信している
チェックが7つ以上つけば、土台はしっかりしています。4つ以下なら、まず「5つの対策」の①と②から手をつけるのがおすすめです。
まとめ:AI対策は「お客様にわかりやすい情報発信」そのもの
AI対策と聞くと難しく感じますが、やることの本質は「自社の強みを、正確に、具体的に伝えること」です。これは、経営戦略で言う「誰に、何を、どう伝えるか」を整理することと同じです。強みが言葉になっている会社は、人にもAIにも選ばれやすくなります。
株式会社オフィスレゾネイトでは、中小企業診断士としての経営支援と、WordPress等のWeb制作の両面から、御社サイトのAI対策をお手伝いしています。「自社がAIにどう紹介されているか知りたい」「何から手をつければいいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。



